SXSW 2013 レポート [Mar. 8]


logo
会社から機会ををもらって、SXSW 2013(サウス・バイ・サウスウェスト)に参加してきた。日本でのレビュー記事はまだ多くはないと思うので、いくつかのエントリーに分けて、その様子をレポートしたいと思う。

SXSWとは…(ここから抜粋
——
【概要】
毎年3月頃にアメリカのテキサス州オースティンで行なわれている、音楽・映画・インタラクティブ部門を中心とした大規模なアートイベントおよびカンファレンス。SXSW社が運営。アルフレッド・ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」(North by Northwest)をもじって名付けられた。 twitterなどのサービスが一気に広まったイベントとして有名。

【目的】
「クリエイティブな人や企業がキャリアの発展とアイデアの共有を目的とした世界交流が出来るイベントを作ること」

【主な区分け】
SXSW Music SXSW Film SXSW Interactive
※また、教育目的としたSXSWeduや環境問題に対応するSXSW Ecoも存在する。

【歴史】
Roland Swensonが中心となり、Chronicle社のLouis BlackとNick Barbaroと共に1987年3月に音楽イベントとして開催される。 1994年から音楽と映画、インタラクティブ部門に枝分かれし、2011年にはSXSWedu、2012年にSXSW Ecoが設立された。 2001年には音楽部門でWhite StripesやThe Strokesなどのバンドが一躍有名になった。

【日本での認知】
2011年にはインタラクティブ部門でセカイカメラで有名な頓智.の井口尊仁が講演、2010年にwater fai、2012年は音楽部門でLagitagidaやElectric Eel Shockなどの日本出身バンドが出演し、日本のインタラクティブ、音楽業界での認知度も高まっている。日本の広告会社もだんだんと人を送り込むようになってきているようだ。
—-

まず、参加する前から感心したのは、いかにデジタル面ですごくよく準備されてるかということ。参加のため、レジストレーションを済ますと専用サイトでプロフィールの登録ができるようになる。よくよくみると、軽いソーシャル機能がもあり、他の参加者のプロフィールが見れたり、メッセージをやり取りできたりする。(知らない人からメッセージが届いたりもする)専用スケジューラーもあり、参加登録したイベントを自分のグーグルカレンダーに反映させるできるような機能もある。そして、驚いた事に専用のiPhone/iPad/Androidアプリがあり、ここから、すべての情報が見れる。とくに会場では5000以上のイベントが行われるので、はっきりいってこのアプリがないとどうにもならないぐらいだ。会場ではみんなこれを使ってた。ガジェット類の電源が続く限りはこのアプリでほぼ事足りる。

というわけで、オースティンで行われるSXSWに胸を踊らせてやってきましたテキサス州!宿泊先はホテルといいつつ、ほぼモーテル。厳つい男たちが夜な夜なビールを持寄って集まってどんちゃん騒ぎをしている。最初の晩は、女性の叫び声が聞こえた。若干怖い。飯はしょぼい。だが、そんな事よりも、ここに来れただけで御の字だ。

【3/8(金)初日】
SXSWの始まり。参加者はまず始めに参加証である「バッジ」をピックアップしに行かないと行けない。というわけで、朝、早起きして早々にバッジのピックアップに行こうにも、シャトルが全くこなかった…。これで、大幅に時間をロス…どうやら、シャトルが満員らしく、自分のホテルをスルーして会場に向かっているらしい。$60払ったのにあんまりだ。そして、当然の事ながら、待っているの自分だけではなく、他にも待っている人がおり、せっかくなので話しかけてみると、シャトルバスがまったくこない愚痴をネタにさっそく何人かと仲良くなった。

オクラホマでウェブデベロッパーとして活動するダニエル。
メキシコで組織全体の生産性を向上させる為のプラットフォームを開発しているアレックス。
サンフランシスコでインタラクティブプロデューサーをしているベン。
オーストラリアでフィルム/メディアのPhD学生キャメロン。

インターナショナルな雰囲気がわくわく感をそそる。

ダニエルは時間的に早かったので先に出発してしまっていたが、いつまでもこないシャトルバスを待つ訳にも行かないので、仲良くなった3人とともに、アレックスのレンタカーでカープールし、会場近くに到着、その後徒歩で会場入り、バッジを獲得。

人の多さに圧倒される。バッジを発行してもらうや否や、一目散に目的の会場に向かう人。メイン会場であるオースティンコンベンションセンター内の通路にある電源ポートに群がり、一心不乱にモバイルのキーボードを叩く人。独特の熱気がそこにはあった。

だが、のんびりしている暇はない。せっかく来ているので、自分も動こう。
先ほどのSXSWアプリを通じて、いくつか目星を付けておいたイベントに参加する事にした。初日に自分が参加できたのは以下のイベント。

<Digital Creative Job Market (デジタルクリエーティブの為の就職フェア)>

いきなり職探しってどういう事だよ?と言われてしまうかもしれないが、就職というか、海外の企業ってどんな人を求めているのか、どういう採用をしているのかが知りたくて立ち寄ってみた。

時間が早かったのか、あんまり人はいなく、ちょっともの寂しい雰囲気。ブースを出している企業もそんなに多くなかった。20企業ぐらい?そんななか、クリエーティブブティックのCP+Bがあったので、早速話を聞いてみることにした。

だが、CP+Bのブースはちょっとなんだか様子が違った。ポーディアムの上にはアンティーク調のフレームでデコレートされたiPad。そして横には”Please do touch the art”(我々の芸術品にぜひお手を触れてください)と。CP+Bが直近で制作したアプリをケーススタディーとしてみせつつ、どのような人材を求めているか詳細に説明してくれた。

興味深かったのは、「履歴書の提出」が存在しない事だ。リクルーターから名刺を渡され、「リンクドインのプロフィール送って!」で以上終了。職歴やプロフィールに興味を持ってもらえれば、その次のステップにすすめる、というわけだ。日本の就職活動のような堅苦しさは一切ない。

<2013 SXSW Newbies Meet Up(SXSW 2013初心者の館)>

SXSWに参加するのは初めてなので、オリエンテーション的な意味もかねて参加してみる事にした。
このセッションのモデレーターは、John Muehlbauerというフランクな語り口が魅力的なおじさん(おにいさん)。

写真 2013-03-14 13.40.54_abr
右端に写っているひとが、ジョンさん。テーブルには全米はもとより、世界各地から来た人たちが集う。

写真 2013-03-14 13.41.06_abr
テーブルでは、名刺代わりにtwitterアカウントを書いた紙を交換。

部屋に入ると、結婚式場のような具合で円卓がいくつかあり、好きなところに座ってもらい、そこで相席になるメンバーと仲良くなるというわけだ。自分が座ったテーブルには、オースティンの企業に勤めるモバイル関連企業でデザイナーをやっている2人組、シンガポールで同じくモバイル関連の仕事をする人、タイからのデベロッパー、インディアナの学生、ニューヨークでコーディングを教える先生、が来ていた。twitterアカウントを交換すると、すぐにいろいろ話が始まる。モバイル畑の人が多いテーブルだったので、「モバイルってどうよ?」という話になるのだが、印象的だったのは「モバイルよりもこれからはウェラブル(wearable)だ」と言ってる人が何人かいた事だった。

<Data & Gamification: Value to the Enterprise(ビッグデータとゲーミフィケーション:企業にもたらすその価値は)>
Brendan Wallace, Jeremiah Owyang, Michelle Accardiによるパネルトーク。
このセミナーは若干はずれ、だったような気がする。話がすごくふわっとしていた…。

写真 2013-03-14 13.40.38_abr
セッションの様子。

一言で言うと、「ビッグデータとゲーミフィケーションを両方活用すると、すごくいいよ!」という話。
セッション中の発言で気になったものをピックアップすると…
・なんでもとりあえずゲーミフィケーションすればいい!という訳ではもちろんなく、きちんとゲームフィケーションの正しい要素を文脈に入れる事が大事。
・良いゲーミフィケーションは、逆説的に聞こえるかもしれないが、人生や実生活の要素をうまく取り入れる事が重要。
・ゲーミフィケーションはつまるところ、「モチベーションのデザイン」。決して特殊なカテゴリーのマーケティングではなく、もっと日常的に行使されるべきものだ。
・サムソンは自社のカタログサイトにゲーミフィケーションのシステムを導入した。「自分の好きなブランドに認知される」と言う事をモチベーションに、アクセスした人がぞくぞくとレビューや評価をサムソンのカタログサイトに寄せるようになった事例がある。
・ゲーミフィケーションは参加者を「操作」するためのものではない、「表彰」することである。
・ビッグデータとは、集約した情報に「インテリジェンス」というレイヤーを加える事である。

また適宜加筆したり、追加投稿したりします!

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>