スタンフォード大学 d. school訪問

SF滞在の初日、SFOに降り立ってすぐ、その足でパロアルトにあるスタンフォード大学に向かった。前々から気になっている、d.schoolが毎週金曜日に無料でd.school内ツアーを行っており、それに参加するためだ。結局、SF到着が遅れてしまったため、ツアー自体は後半部分しか参加できなかったが、それでも十分に参考になった。

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校内は、個々人が作業する為のスペースと、授業を行う教室があったが、その垣根は緩く、印象としてはまるで一続きの空間のように思えた。そこら中にポストイットがはってあり、白板にはアイデアやブレストの殴り書きが走っている。生徒は自分のスペースでパソコンに向かいながら、何かを作っていたり、みんなで打ち合わせをしていたりした。すべてが「筒抜け」(良い意味で)となっており、d.schoolが醸成している独特の活気が感じられる。

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d.school自体は、学位を授与する教育機関ではなく、クラスをオファーするだけの場所。逆に言うと、スタンフォード大学内の生徒で、先攻によらず自由に参加できる。校内に、生徒のリストとどの先攻かが書いてあったのでみてみると、いろいろなバックグランドを持った人がいるという印象を受けた。スタンフォード大学の中に、プロダクトデザイン先攻があるのだが、プロダクトデザイン先攻の人はむしろ、少数派のグループのように思えた。ツアーを開催してくれていたのが、現役のd.schoolの生徒だったが、そのうちの一人に詳しく話を聞いたところ、彼女も本職は化学の先攻で、たくさんの人がきれいな水にアクセスできるように考えることが彼女のメインの関心ごとらくしく、彼女のプロジェクトはすべてそのテーマに沿ったものとなっていた。

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d.schoolで行っている事はとてもシンプルに思えた。社会の中に存在する解決されるべき「課題」を発見し、その課題に対する「ソリューション」を探す、と言う事。広告会社や、自分の会社でやっている事とそんなに変わりはないのでは?というのが率直の感想。違うとすると、そのアプローチが大きく違う、と言う事。広告会社が主にコミュニケーションという領域という領域だとすると、d.schoolはプロダクトという観点だろう。ただ、d.schoolでは「モノ」を作るだけじゃない。「サービス」などのものでもd.schoolのアプローチは有効であり得る、と思う。

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また、人の雰囲気がネアカ。ツアー担当じゃない学生が、ツアーされているグループに出くわし、ツアーガイドに促され、その場で、簡単に自分のプロジェクトの説明を始めるなど、かなりフランクな雰囲気。ツアーガイドも明るく話す。よって、プレゼンがうまく見える。(というか、かなり環境が楽しいんだろうな、というのが伝わってくる)

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そして、企業とのコラボレーションする形の授業がかなり多いみたいだ。多くの世界的企業のチームと協業し、授業の中でプロジェクトを行う、というのも頻繁に行われるみたいだ。学期の最後には、CEOに直接プレゼンし、それが事業化したもの数多くあるらしい。

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仕事で普段やっている事と、よく似ているが、とはいえ全く同じではなく、ちょっと違う。こういう環境に身を置けば、少し物事が違って見えてくるのかもしれない。勉強してみたいと思う。