視覚以外の感覚を使ったプレゼンについて

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これは、もともとはドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士が考案したもの。どれだけ経っても、決して目が慣れることのない「100%の暗闇」の中で、8名の参加者と1名の進行役(目が見えない方がやる)でキャッチボールや、積み木並べや、果てはお茶会までを行う。

このプログラムは面白い。が、どれだけ言葉で書いても実際に体感してみるまでは、伝わらないと思う。それは、人間がいかに普段から視覚に頼りすぎているのかという事を理解する瞬間だ。

例えば、積み木並び。8人の参加者は、それぞれ積み木のパーツを渡され、他人のパーツに直接触れる事なく、積み木を完成させなければならない。視覚的に相手がどのような部品を渡されているのか確認できない以上、言葉で伝え合うしかない。そして、それはきわめて難しい。なぜなら、誰かが「僕のパーツは結構大きい」と例えば言ったとしても、どれだけ大きいのか、誰にも共有されないからである。

なので、グループワークを行うにつれ、共通の尺度を作るなどの努力を試み、なんとか形にしようと努力するのだが、本当に大変。視覚という感覚が一つないだけで、単純な作業がこれほどまでに大変なのかと思い知った。

普段の仕事においても、同じ事が言えるのではないかと思った。

コピーとグラフィックをあわせてカンプを作る。CMを作るために、絵コンテを起こす。ウェブページのプレゼンをするために、遷移図を作る。すべて、視覚をベースにしたプレゼンだ。(当たり前だけど)

ただ、視覚以外に頼るプレゼンもある。

DIDのセッション中、視覚がない状況下で、他の感覚が研ぎすまされていく感じがあった。触覚、嗅覚、味覚…。視覚がない中でもリアルに現実が感じられる。それは、残った感覚がもたらすものだった。

ならば、視覚だけじゃないプレゼン手法も同じように、「リアル」を感じさせるために機能するのではないだろうか?

例えば、プロトタイプを作ってそれを提案する。実際に使ってもらい、触覚や、時間の感覚というものを肌で感じてもらう。それをするための素材は現在はそろっている。

視覚だけに依らないプレゼン手法の研究をしてみるべきかもしれない。