書籍の電子化をした

大学の頃から、本を買っては読んできて、すべてを強引に本棚におさめてきていたが、そろそろ限界が来たので、すべて電子化をするプロジェクトに着手した。

といっても、そんなに大げさな事ではなく、ただオンラインで書籍電子かサービスに申し込んで、本を送るだけ。ただ、自分の場合は書籍がおそらく500〜1000冊ぐらいあったので、なかなか面倒ではあったが…。

つかった電子化代行サービスはここ。

「スキャンビー」

ネットで評判を検索すると、主にtwitterでまとめられた各サービスを利用した人の感想がまとめられているが、多くがネガ。やれ業者から連絡がないとか、やれスキャンの結果が満足いかないとか、本当にいろいろ出てくる。ある人が良いと言っていたサービスも他の人からすれば全然駄目らしく、どれが一番いいのか、よくわからないのでそれなりに納期が早く、価格も安いところにお願いするところにした。

試しにスキャンしてみたところ、問題ないと思ったので、残りの本棚の書籍もお願いする事にした。

スキャンした書籍データをクラウドにあげれば、デバイスや場所を問わず、どこでも読めるようになる。最近のスキャンサービスはOCRオプションもついているので、プログラミングの技術書など重量があって、普段から持ち歩きづらいような書籍は特に重宝するだろう。

最近は、Googleのクラウドストレージサービス”Drive”がローンチ間近と言われるし、今後もクラウドストレージはどんどん普通になってくると思う。外部HDDにデータをバックアップするより遥かに安全だろう。

震災を経験すると、断捨離じゃないが、データやフィジカルなものを手元に置いておく事が必ずしも良い事だとは思えなくなった。どこか遠くの安全な場所にすべてデータを移して、適宜引き出すモデルへのシフトが今後も進むはずだ。生活はシンプルな方がいい。

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【読書記録】人生論

トルストイ
新潮社
発売日:1975

トルストイが晩年に残した本。現代科学が定義する「生命」に関して、痛烈な批判を展開しながら、人間が手に入れ得る新の生命、本当の幸福について議論して行く。

トルストイはまず、「個人の幸福の最大化が生命の目的である」であると現代科学によって信じられている事関して、幾ら自らの幸福を最大限にしようと行動した所で、いずれはその幸福感が個人から消え去り、その時に常に辛苦をなめねばならず、幸福を追求する存在として根本的な矛盾を抱え込んでいると指摘する。

その指摘を踏まえ、「個人の幸福」ではなく、心からの「他者の幸福を願う」その指向性こそがあるべき幸福の姿であり、ある人間が「他者の幸福」を求めて存在する様になる時、現代の一般多数が持つ間違った生命の観念から離れ、その人間の新しい生命が生まれる時だと説く。

また、そのような目覚めた人間は新たに生まれるだけでなく、この世にとどまらない永遠の生命をも手に入れると続ける。死とは単純に肉体的な消滅にすぎず、自らとこの世界の関係を絶ちきる訳ではなく、その自らがもたらしたこの世との関係は残り続けるので(e.g.他者の心の中)、真の生命に目覚めた者は死を畏怖すべき事象とは捉えない。

むしろ、一般的に、死というものが断続する事なく続く自我の「線」を断ち切る出来事だと認識されている事のほうが間違いであり、人間は時間の経過とともに常に同じ存在であり続ける訳はないので(昨日の自分と今日の自分の間では明らかに「眠り」という自我を断絶させる事象が起きている)、死をもって自我の消滅に狼狽するのは滑稽で仕方ない、との事らしい。

・・・。内容はかなり深遠であり、是非とももう一度読みたいと思わせるないようではあったが自分の中でのこの本の中身に対する拒絶反応は否めない。

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【読書記録】ひとりで生きられないのも芸のうち

ちょっと上から目線なモノの書き方に少しイラっとする部分もあるが、読み応えがあった。現代の若者が仕事において苦労する理由については合点がいった。自己評価と外部評価の乖離。他者と成果を分かち合うことなく、自己にのみそれを帰結しようとすることの功罪。新鮮な視点だった。ただ、「説明」としては正しいかもしれないが、果たしてそれが事象の「解明」になっているかどうかはまた別の話だと思う。
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