Theo Jansen展にいってきました。


ちょっと、前の話にさかのぼってしまうのですが、先々週末にテオ・ヤンセン展を見に行ってきました。UCLAにいたときに一度展覧会があったにもかかわらず、いきそびれて以来そのままだったので、今回日本で見ることができて本当によかったです。

場所は日比谷パティオ内に特設された展示会場。その中に所狭しと テオ・ヤンセンが制作した作品が並べられていました。作品だけの展示にとどまらず、彼のドローイングやノートの切れ端など、制作や思考の過程を想像させるものも一緒に見ることができたのは非常に興味深いものがありました。

巨大な、タランチュラみたいなウネウネ動く作品が特徴的な彼の制作物ですが、はじめはきわめてプリミティブな状態からはじまり、幾多の試行錯誤を気の遠くなるような時間とともにおこなってきて初めて今の作品があるのだとよくわかりました。

今回の展示を見て、特に心に残ったのは作者の自身の作品に対する「愛情」です。テオ・ヤンセンは若い頃に思いついたちょっとしたアイデアを(いわゆるTJ機構の原型)、現在の作品までに膨らませてきたわけですが、今後どうしたいのかという問いに対して、「自分が死んでしまったとに自分の子供たち(自分の作品のこと)が一人で動き回って生活できるようにする」と彼は答えます。彼にとって、彼の作るものは対象としてのモノではなく、あたかも生命を持ったイキモノとして接しているんですね。

僕は、そんな真摯な姿勢で作品を作る彼に感銘を受けずにはいられないのでした。それぐらい、コミットできる何かを自分のライフワークとして見つけることのできたテオ・ヤンセンを幸せに思うのと同時に、自分もそうありたいと強く思った一日でした。